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freee

フリー株式会社
vs

MoneyForward

マネーフォワード

会計ソフトは「安さ」より、毎月の経理を誰が回すかで選ぶべきです

freee vs マネーフォワード|個人事業主・小規模法人はどっちを選ぶべき?

公開日 2026.05.10 / 検証日 2026.05.10 / テック比較ジャーナル編集部

freeeとマネーフォワードは、どちらも定番のクラウド会計ソフトです。ただ、実際に選ぶときに大事なのは「機能が多いのはどちらか」ではありません。毎月の請求書を誰が作り、入金を誰が確認し、領収書を誰が処理し、最後に税理士へどう渡すか。ここが自社の現実に合っていないと、どれだけ評判の良いソフトでも途中で使わなくなります。

編集部の感覚では、freeeはかなり中小企業・個人事業主の味方です。無料で始められる周辺機能も多く、請求書作成や確定申告まわりは「これで十分」と感じる場面が多い。一方で、慣れていない人が一人で詰まったとき、低価格帯ではサポートがチャットやメール中心になりやすく、そこで手こずることがあります。マネーフォワードは、簿記や会計処理に慣れている人には見通しが良い反面、会計初心者が最初から一人で触ると少し硬く感じるかもしれません。

まず結論:会計初心者が自分で回すならfreee、経理経験者がいるならマネーフォワード

freeeは「簿記の画面」ではなく「業務の流れ」に寄せた設計です。請求書を作る、入金を確認する、経費を登録する、確定申告書類を作る、という流れが画面上でかなり分かりやすくつながっています。だから、経理担当者がいない個人事業主や小規模法人では、freeeのほうが立ち上がりが早いです。

一方、マネーフォワードは会計の考え方に素直です。仕訳、口座連携、帳簿、残高、給与、経費、請求書といった要素がきれいに分かれており、経理経験者や税理士にとっては確認しやすい。つまり、freeeは経理に不慣れな人を前に進めるツール、マネーフォワードは経理を分かっている人がきちんと管理するツールという見方が一番ズレにくいです。

実例:個人事業主が毎月の経理を回すフローで比較

実際の利用場面として、Web制作やコンサルの個人事業主を想定します。毎月の流れは、請求書を作る、入金を確認する、クレジットカード明細から経費を登録する、領収書を整理する、月末に税理士へ状況を共有する、というものです。この流れで見ると、freeeとマネーフォワードの違いはかなりはっきりします。

ステップ1:請求書を作る

freeeは請求書作成の導線が分かりやすく、会計ソフトというより「請求管理ツール」としても使いやすいです。取引先、品目、金額、支払期限を入れれば請求書を作れますし、そのまま入金管理につながるのが楽です。小規模事業者が「まず請求書だけ作りたい」という入口としてはかなり強いです。

マネーフォワードも請求書機能は強力ですが、クラウド会計・クラウド請求書・クラウド経費などサービスが分かれている分、最初は全体像を理解する必要があります。すでに業務フローが固まっている会社には向きますが、はじめての人にはfreeeの方が迷いにくいです。

ステップ2:入金を確認して消し込む

銀行口座やクレジットカードを連携すれば、どちらも明細を取り込めます。ここで大事なのは、正確性よりも「毎月続けられるか」です。freeeは取引登録の候補が分かりやすく、経理に不慣れでも進めやすい。一方、マネーフォワードは仕訳や勘定科目を見ながら整える感覚が強く、税理士や経理経験者には扱いやすいです。

ステップ3:経費を登録する

レシートやカード明細を元に経費を登録する作業は、地味ですが一番サボりがちです。freeeは「これは何の支出か」を選んでいく感覚で進められるため、会計用語に慣れていない人でも作業に入りやすいです。マネーフォワードは、仕訳や補助科目をきちんと整えたい人に向きます。経理担当者が後から見ても違和感が少ないのはマネーフォワード寄りです。

ステップ4:税理士と共有する

どちらも税理士や会計士を招待して情報共有できます。ここでの判断ポイントは、ソフト自体の優劣より顧問税理士がどちらに慣れているかです。税理士側がfreeeに慣れていればfreeeで問題ありませんし、マネーフォワード中心の事務所ならマネーフォワードの方が確認が速いことがあります。

税理士に丸投げするつもりなら、契約前に「freeeとマネーフォワード、どちらで共有するのが楽ですか」と聞いた方がいいです。ここを確認せずに契約すると、後でデータ出力や権限設定で無駄なやり取りが増えます。

10項目スペック比較

項目freeeマネーフォワード
向いている層個人事業主・小規模法人・経理初心者経理経験者がいる会社・周辺業務まで管理したい会社
操作思想業務フロー型。質問・案内に沿って進めやすい会計実務型。仕訳や帳簿を見ながら管理しやすい
請求書作成直感的で小規模事業者に使いやすい請求書サービスとして高機能。運用設計ができる会社向き
確定申告質問形式で進めやすい仕訳・帳簿ベースで管理しやすい
税理士連携アドバイザー招待が可能。freee慣れした税理士と相性が良い税理士・経理実務に近い感覚で共有しやすい
サポートチャット・メール・電話など。内容はプランにより差があるチャット・メール中心。電話サポートは対象プランに注意
料金の見え方小規模で始めやすいが、法人・周辺機能追加で上がる複数サービスを使うほど総合プランの価値が出る
損益分岐経理時間を減らしたい一人事業者に合う社員数・経理業務が増えた段階で強い
操作に慣れるまで入口はやさしいが、会計処理で詰まることはある簿記に慣れていないとやや硬く感じる
総評「まず自分で経理を回す」人向き「会社の経理基盤として整える」人向き

損益分岐:月額料金より「何時間削れるか」で見る

freeeとマネーフォワードの比較で、月額料金だけを見ると判断を間違えます。会計ソフトは、経理作業を月に何時間減らせるか、税理士とのやり取りをどれだけ減らせるか、ミスや申告漏れの不安をどれだけ減らせるかで見るべきです。

事業フェーズ損益分岐の考え方選び方
副業・開業直後請求書と経費登録が中心。会計ソフトにお金をかけすぎる必要はないfreeeで小さく始めるのが現実的
個人事業主・年商数百万円〜確定申告前にまとめて処理すると時間が溶ける。毎月処理する仕組みが重要経理初心者はfreee、仕訳に慣れているならマネーフォワード
小規模法人・社員数1〜5名役員報酬、給与、請求、税理士共有が絡み始める社長が経理兼務ならfreee、税理士主導なら税理士に合わせる
社員10名以上会計だけでなく給与・経費・請求書・承認フローまで見る必要が出るマネーフォワードの総合バックオフィス運用を検討

対象規模別の選び方

個人事業主・フリーランス

最初に選ぶならfreeeが無難です。請求書を作って、入金を確認し、カード明細から経費を登録し、確定申告まで進める流れが一番分かりやすいからです。会計に詳しくない人が「とりあえず今年の申告を終わらせたい」という目的なら、freeeの方が挫折しにくいです。

ただし、すでに簿記の知識がある、税理士がマネーフォワードを使っている、複数口座やカードの管理をきっちりやりたい場合はマネーフォワードも強いです。会計を理解している人には、マネーフォワードの方が自然に見える場面があります。

小規模法人・社員1〜5名

この規模では、freeeの「代表者が自分で回せる」強さがまだ効きます。請求書、入金、経費、決算前の確認を社長やバックオフィス兼任者が処理するなら、freeeの分かりやすさは大きいです。会計だけでなく、開業・会社設立・人事労務周辺までfreee側でそろえやすいのもメリットです。

一方で、経理担当者を置く、税理士が月次でチェックする、請求書や給与を複数担当者で処理するようになると、マネーフォワードの整理された構成が効いてきます。ここから先は「社長が分かりやすいか」ではなく「経理実務として管理しやすいか」に軸が移ります。

社員10名以上・バックオフィスを整えたい会社

社員数が10名を超えると、会計ソフト単体ではなく、給与、経費、請求書、勤怠、承認フローまで含めた設計が必要になります。この段階ではマネーフォワードの総合力が出やすいです。会計だけを見るとfreeeでも十分ですが、複数部門・複数担当者で回すなら、マネーフォワードの方が管理しやすい会社も多いです。

料金比較:2026年6月時点の目安

2026年6月時点で、freeeの個人向けはスターターが月額1,780円(税抜)または年額11,760円(税抜)から、法人向けはひとり法人が年払い2,980円/月(税抜)、スターターが年払い5,480円/月+従量課金(税抜)から案内されています。マネーフォワードは個人向けパーソナルミニが月額1,280円(税抜)または年額10,800円(税抜)、法人向けはひとり法人が月額3,980円(税抜)または年額29,760円(税抜)から案内されています。

料金だけを見ると、個人向けの入口はマネーフォワードが安く見える場面があります。ただし、実際には「何をどこまで使うか」で総額が変わります。請求書、給与、経費、税理士共有、メンバー追加を含めると、単純な月額比較では判断できません。

見るべきポイントfreeeマネーフォワード
個人の入口料金スターターから。確定申告までの導線が分かりやすいパーソナルミニから。会計に慣れた人は扱いやすい
法人の入口料金ひとり法人・スターター・スタンダードなど段階ありひとり法人・スモールビジネス・ビジネスで分かれる
メンバー追加プランにより人数・追加料金が変わるプランと利用サービス範囲で変わる
注意点安い入口から始めやすいが、周辺機能を足すと上がる複数クラウドをまとめて使うほど価値が出る

税理士連携:どちらが優れているかより「税理士が慣れているか」

freeeもマネーフォワードも、税理士や会計士を招待して情報共有できます。機能としてはどちらも十分ですが、実務では税理士事務所側の慣れがかなり大きいです。税理士がfreee認定アドバイザーであればfreeeがスムーズですし、マネーフォワードを中心に見ている事務所ならマネーフォワードの方が月次チェックが早いことがあります。

一番避けたいのは、自分だけで会計ソフトを決めた後に、税理士から「うちはその形式だと確認に時間がかかります」と言われるケースです。税理士に依頼している、またはこれから依頼する予定があるなら、ソフト契約前に必ず確認しておきましょう。

サポート:初心者ほどここを見落とさない方がいい

freeeもマネーフォワードも、ヘルプページはかなり充実しています。ただ、会計ソフトに慣れていない人が本当に困るのは、「この取引は何の勘定科目にすればいいのか」「これは売上なのか立替なのか」「税理士にどう見せればいいのか」といった、操作と会計判断の境目にある問題です。

freeeはチャット、メール、電話、ヘルプセンターを提供していますが、利用できる窓口や返信スピードはプランによって変わります。マネーフォワードもチャットやメールで問い合わせでき、電話サポートは対象プランや条件に注意が必要です。低価格プランで始めるほど、サポートは「聞けば全部すぐ解決」ではなく、自分でヘルプを読みながら進める場面が出ます。

ここはfreeeもマネーフォワードも同じで、会計初心者ほど、月額料金だけでなくサポート条件を見た方がいいです。特に確定申告直前や決算直前は、分からないことが一気に出ます。サポートが弱いというより、安いプランではサポートに限界がある、という理解が現実的です。

freeeが向く人

マネーフォワードが向く人

導入後に「聞いてない」となりがちな点

編集部の最終判定

個人事業主や小規模法人で、経理担当者がいない、または代表が自分で経理を回すならfreeeが合いやすいです。請求書、経費、入金、確定申告までの流れが分かりやすく、中小企業の味方という表現はかなりしっくりきます。

一方、経理経験者がいる、税理士がマネーフォワードに慣れている、給与・経費・請求書まで会社のバックオフィスを広く整えたいならマネーフォワードを検討する価値があります。どちらも良いサービスですが、選ぶ基準は「機能数」ではなく、自社の経理を誰が、どの粒度で、どこまで自分で回すのかです。

よくある質問

freeeとマネーフォワードはどちらが個人事業主向けですか?

簿記に慣れておらず、請求書・経費・確定申告まで画面の案内に沿って進めたいならfreeeが向きます。仕訳や会計処理に慣れていて、税理士と同じ感覚で帳簿を見たい場合はマネーフォワードが合いやすいです。

損益分岐はどこで考えるべきですか?

月額料金だけでなく、経理にかかる時間、税理士とのやり取り、請求書・給与・経費精算まで含めて考えるべきです。副業や個人事業主はfreeeで十分なことが多く、社員数が増え周辺業務もクラウド化する段階ではマネーフォワードの総合力が効いてきます。

税理士と連携しやすいのはどちらですか?

どちらも税理士・会計士を招待して情報共有できます。ただし税理士事務所側が普段どちらを使っているかで運用のしやすさが大きく変わるため、契約前に顧問税理士へ確認するのが安全です。

サポートはどちらが手厚いですか?

どちらもプランによってチャット、メール、電話などのサポート条件が異なります。低価格プランではチャットやメール中心になるため、会計ソフトに不慣れな人はサポート条件も料金の一部として見ておく必要があります。

年度途中で乗り換えても大丈夫ですか?

可能ではありますが、会計データの移行や残高合わせが面倒になりやすいため、基本は会計年度の切れ目で乗り換えるのがおすすめです。特に税理士と共有している場合は、先に移行方針を相談した方が安全です。

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編集後記

freeeは、実際に小規模事業者が触ると「よくここまで無料・低コストで用意しているな」と感じる場面があります。ただし、サポートまで全部期待すると少し違います。自分でヘルプを読みながら進める覚悟がある人にはかなり強い味方。逆に、経理をきっちり管理する担当者や税理士がいる会社は、マネーフォワードの方が業務として整えやすい場面があります。