公開日 2026.07.10 / 検証日 2026.07.10 / テック比較ジャーナル編集部
AI検索ツールが増えすぎて、「結局 Perplexity だけでいいのか」「NotebookLM と何が違うのか」で迷いやすくなりました。調査AIを選ぶときに大事なのは、機能名ではなく、どの情報源を扱い、最後に何を提出するかです。
この記事では、NotebookLM、Perplexity、Genspark、Feloを中心に、論文調査向けのConsensusとElicitも含めて整理します。想定する使用場面は、営業企画担当が「2026年の日本企業における生成AI導入の課題を3点で整理し、出典付きで会議用メモにする」ケースです。検索、資料読解、表作成、最終確認までを1本の流れで見ます。
あなたは社内調査メモの編集者です。 テーマは「2026年の日本企業における生成AI導入の課題」です。 次の4列で整理してください。 1. 主張 2. 根拠URL 3. 根拠ページの公開日または更新日 4. 本文に採用するか、保留する理由 条件: - 価格、上限、契約条件は公式ページだけを根拠にする - 調査レポート、ニュース、企業ブログは混ぜずに分類する - PDFや手元資料は別枠で、資料名と対象期間を残す - 最後に「会議メモに使える3点」と「人間が開いて確認するリンク」を分ける
AI検索は、外部Webから答えに近い情報を探し、要約し、引用元を並べる作業です。一方でAIリサーチは、Webで拾った情報、PDF、社内メモ、論文、競合資料を集め、比較し、根拠を残し、意思決定に使える形へ整える作業です。ここを混ぜると、ツール選びを間違えます。
たとえば、競合SaaSの料金改定を調べるなら、まずPerplexityやFeloでWeb情報を集めます。その後、公式PDFや営業資料をNotebookLMに入れて差分を読みます。最後に、Gensparkで比較表や会議用スライドにします。論文や学術的根拠が必要なテーマだけ、ConsensusやElicitを別枠で使う。この分担が、実務ではいちばん無理がありません。
| やりたいこと | 第一候補 | 注意点 |
|---|---|---|
| Web上の最新情報を探す | Perplexity / Felo | 引用元を開いて確認する |
| PDFや社内資料を読む | NotebookLM | 資料を先に集める手間がある |
| 調査結果を資料化する | Genspark | 出典確認は別途必要 |
| 論文ベースで確認する | Consensus / Elicit | 一般ビジネス調査には重い |
同じ「調査AI」でも、得意な作業はかなり違います。ここでは、最初に選びやすいように用途、弱点、TechHikaku内の関連ページを並べます。
| ツール | 向いている仕事 | 弱点 |
|---|---|---|
| NotebookLM | PDF、Google Docs、社内資料、動画メモの読解 | 資料を集める前段階は別ツールが必要 |
| Perplexity | Web調査、引用付き検索、海外情報の確認 | 要約だけ読むと出典の品質を見落とす |
| Genspark | 調査からスライド、表、文書への展開 | 作る成果物を指定しないと散らかる |
| Felo | 日本語検索、多言語検索、国内ビジネス情報 | 深い検証は人間の確認が必要 |
| Consensus | 研究テーマの大まかな学術的結論確認 | 一般的な市場調査には狭い |
| Elicit | 論文検索、抽出、表形式の整理 | ビジネス利用では過剰になりやすい |
Web調査の初動では、PerplexityとFeloが候補になります。Perplexityは海外記事、英語圏の一次情報、複数ソースを横断した調査に向きます。Feloは日本語で聞き、日本語で整理し、国内企業や日本の制度・商習慣を含めて調べたいときに使いやすい位置づけです。
営業企画の例でいうと、「日本企業の生成AI導入課題」を最初に洗い出すなら、Perplexityで海外調査やグローバル企業のレポートを拾い、Feloで日本語ニュース、国内SaaS、導入事例を探します。どちらも便利ですが、答えの文章ではなく、引用元の質で判断します。
詳しくはPerplexityとChatGPT検索の違い、単体ページではPerplexity AIの引用付き検索とFeloの日本語AI検索で整理しています。
NotebookLMは、Web検索の代替というより「自分が集めた資料を読み込ませる作業台」です。PDF、議事録、Google Docs、営業資料、Webページ、動画の文字起こしなどをまとめ、そこに対して質問する使い方が中心になります。すでに材料がある仕事ほど強く、まだ何も集まっていない段階ではPerplexityやFeloの方が先です。
使用場面で考えると、営業企画担当が3社分の導入事例PDF、社内の過去提案書、上司のコメントメモをNotebookLMに入れ、「共通する導入課題」「各社で違う論点」「来週の会議で質問されそうな点」を出させる流れです。ここで大事なのは、ノートブックの中に古い資料を混ぜっぱなしにしないこと。去年の提案書が残っていると、今の料金や機能と混ざってしまいます。
NotebookLMの料金と注意点でも触れていますが、社内資料を入れる場合は、共有範囲、アカウント種別、社内ルールの確認が先です。便利だからといって、機密情報や未公開の顧客情報を個人判断で投入するのは避けた方がいいです。
論文調査は、一般Web調査と分けて考えます。Consensusは「この研究テーマでは、全体としてどういう結論が多いのか」をつかむ入り口に向きます。Elicitは、複数論文から対象、方法、結果、限界などを抽出して表にする用途に向きます。
たとえば「生成AI研修は社員の生産性に影響するのか」を調べる場合、Perplexityでビジネス記事だけを拾うと、ベンダー寄りの資料に偏りやすくなります。ConsensusやElicitで研究論文側の根拠を確認し、最後に一次論文の要旨や本文を読む。このひと手間があると、社内提案の説得力が変わります。
一方で、一般的なSaaS比較や競合調査に毎回Elicitを使う必要はありません。論文向けのツールは強力ですが、対象が狭い分、スピード感のある営業資料づくりでは重く感じることもあります。研究・医療・教育・政策など、根拠の厳密さが必要な場面で使うのが現実的です。
Gensparkは、調査結果をスライド、表、レポート、図解に落とし込みたいときに候補になります。単なる検索の答えではなく、最終アウトプットを作る方向に寄っているため、「上司に出す1枚」「会議前の比較表」「顧客説明用のたたき台」を作る場面で相性が出ます。
ただし、Gensparkに丸投げすると、見た目は整っているのに根拠が薄い資料ができることがあります。使うなら、先にPerplexityやFeloで出典を集め、NotebookLMで資料を読み、Gensparkには「この5つの出典だけを使って、3枚の社内説明スライドにして」と制限をかける方が安全です。
Gensparkの資料作成ワークフローでは、資料化の流れを別記事で扱っています。この記事では、リサーチ全体の中で「仕上げに近い工程」として見るのがポイントです。
| ツール | 出典確認 | 資料読解 | 資料化 | 論文対応 | 人間が戻る場所 |
|---|---|---|---|---|---|
| Perplexity | 5 | 3 | 3 | 2 | 引用元ページの日付と発信元 |
| Felo | 4 | 3 | 3 | 2 | 国内情報の一次情報と更新日 |
| NotebookLM | 3 | 5 | 4 | 3 | 投入した資料名、版、対象期間 |
| Genspark | 3 | 3 | 5 | 2 | 完成物に入った数字と出典 |
| Consensus / Elicit | 4 | 4 | 3 | 5 | 論文本文、対象、限界 |
点数は「営業企画が会議前メモを作る」前提の編集部評価です。一律評価ではなく、どの工程で使うと戻りが少ないかを見るための目安として読んでください。
AIリサーチツールの料金は、単純な月額比較だけだと読み違えます。検索回数、アップロード上限、出力物のクレジット、共有機能、管理者権限が分かれているからです。2026年7月10日時点では、Elicitの公式料金ページではBasic無料、月額のProが49ドル、Scaleが169ドル、Enterpriseが個別見積もりとして表示されています。年払い表示ではPlus、Pro、Scaleの金額が下がります。
| 分類 | 見るべき料金項目 | 契約前に決めること |
|---|---|---|
| NotebookLM | 無料枠、Google AIプラン、Workspace側の管理 | 誰のアカウントで資料を持つか |
| Perplexity / Felo | 検索上限、Pro系プラン、アプリ経由の表示価格 | 引用元確認を誰が担当するか |
| Genspark | クレジット、スライド・表・レポート生成の消費量 | 完成物に入る数字の根拠を残す方法 |
| Consensus / Elicit | 個人、チーム、Enterprise、論文抽出量 | 論文本文まで読むテーマか |
個人の調査なら、まず無料枠でPerplexity、Felo、NotebookLMを試し、必要になったら有料枠を検討します。チーム利用では、安さよりも「誰が資料をアップロードできるか」「退職者のノートブックをどう引き継ぐか」「機密資料を入れてよい契約か」を確認してください。ここを曖昧にすると、後から二重管理になります。
この比較が向いているのは、会議前の調査、競合比較、レポート作成、社内提案、研修資料づくりなどで、出典を残しながら情報をまとめたい人です。特に、検索だけでは足りないが、いきなり専門調査会社に頼むほどではない仕事に合います。
向いていないのは、医療、法務、金融判断の最終結論をAIだけで出したい人です。これらの領域では、AIリサーチツールは下調べや論点整理には使えますが、判断の代替にはなりません。また、社外秘の顧客データや契約書を扱う場合は、会社のAI利用ルールと契約条件を確認するまで使わない方が安全です。
一番多い失敗は、最初から1つのツールで全部終わらせようとすることです。Perplexityで検索して、そのまま表にし、スライドまで作る。見た目は速いのですが、途中で出典の質を見直す工程が抜けやすくなります。
回避策は、工程を4つに分けることです。まずPerplexityまたはFeloで外部情報を集める。次にNotebookLMで公式PDFや社内資料を読む。必要ならConsensusやElicitで論文側の根拠を確認する。最後にGensparkで表やスライドにする。面倒に見えますが、後から「この数字の根拠は?」と聞かれたときに戻れるので、社内資料ではむしろ速くなります。
本記事では、2026年7月10日時点で以下の公式ページと公開ページを見ました。料金ページは国、ログイン状態、年払い・月払い表示で見え方が変わることがあるため、本文では根拠を取れた範囲だけを書き、契約判断に直結する部分は公式の購入画面で最終表示を見る前提にしています。
日常的な下書きや壁打ちならChatGPTだけでも足ります。ただし、出典付きのWeb調査、手元資料の整理、論文の抽出、会議資料化まで含めると、専用ツールを組み合わせた方が作業の戻りが少なくなります。
正確さの種類が違います。PerplexityはWeb上の情報を探して引用を付けるのが得意で、NotebookLMは投入した資料に基づいて答えるのが得意です。Web調査ならPerplexity、手元資料の読解ならNotebookLMと分けるのが自然です。
Feloは日本語特化と多言語対応を前面に出しているため、日本語で国内ビジネス情報を探す入口として使いやすい候補です。ただし、最終的には引用元を開き、発信元と更新日を確認してください。
概要把握には使えますが、論文を比較して表にしたり、研究の結論を慎重に見るならConsensusやElicitを使う方が向いています。特に医療、教育、政策テーマでは、AIの要約だけで判断しない方が安全です。
会社のルールと契約条件を確認するまでは入れない方が無難です。社内資料を扱う場合は、アカウント種別、共有範囲、データ利用ポリシー、退職時の引き継ぎまで確認してから運用してください。
AI全般の業務利用はChatGPTの一般業務利用、論文調査はConsensusの論文検索もあわせて確認してください。Elicitについては、本文内の公式情報源から料金と利用範囲を確認できます。